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八千代メンタルクリニック
恐怖(症状)
精神医学で言う「恐怖」とは、特定の物事を必要以上に恐れ、回避することを言います。

誰もが恐怖を抱くものについては「恐怖(症状)」とは言いません。
例えば、すぐ横に野生の虎が立っていれば誰でも「恐怖」を抱くと思いますが、これは「恐怖(症状)」ではありません。しかし、飼い慣らされた、無害な猫を見るだけで震え上がるのは「恐怖(症状)」です。

英語では「フォビア(phobia)」です。「ホラー(horror)」ではありません!

古くからの考え方では、はっきりとした対象のあるものを「恐怖」と言うのに対し、自分の内から生じてくるはっきりとした対象のないものを「不安」といって、分けて考えます。
しかし、最近の考え方では、「恐怖」も大きな意味での「不安」に含めて論じられます。

恐怖(症状)は、恐怖の対象に応じて、以下のように分類されます。
広場恐怖
(アゴラフォビア)
特定の場所への恐怖と回避で、「広場」恐怖とは言うものの広場に限りません。
大通りや人混み、床屋、エレベーター、電車など公共の場が多いようです。

外出がほとんど出来なくなった場合には「外出恐怖」、乗り物に乗れない場合には「乗り物恐怖」と言います。

パニック障害では、発作が起きた時に助けを求められない場所に対する広場恐怖がしばしば見られます。
社会恐怖/
対人恐怖
対人場面で、自分の行動が、「非難されるのではないか」とか、「変に思われるのではないか」と恐れます。以下のようなものがあります。
表情恐怖 人前でこわばった表情をしてしまうのではないかと考える。
赤面恐怖 人前で顔が赤くなるのではないかと恐れる。
自己視線恐怖 自分の目つきが人に不快な感情を与えるのではないかと考える。
会食恐怖 人と食事をすることへの恐怖。
その他 異性と会うこと、パーティーに行くこと、人前で字を書くこと等さまざまの状況への恐怖があります。
特定の恐怖症
(単一恐怖)
特定の対象を恐怖するものです。以下のようにさまざまの恐怖があります。
動物恐怖 猫、犬、蜘蛛などの動物。
先鋭恐怖 針やペンなど尖ったもの。
高所恐怖 高いところ。
閉所恐怖 エレベーターなどの閉ざされた空間。これは広場恐怖であることもあります。
疾病恐怖 エイズ、ガンなどの特定の病気。
その他 雷、嵐、注射、血液等いろいろなものが恐怖の対象となりえます。

恐怖症状が出る典型的なものを「恐怖症(恐怖神経症)」と言います。

広場恐怖はパニック障害の時にしばしば出現します。

統合失調症や、うつ病など、さまざまな精神障害でも出ることがあります。

多少の恐怖症状は誰にでもあり得ます(ゴキブリは無害な虫なのに、恐怖を抱いている人が結構いますよね)。
恐怖症の治療には行動療法が有効だと言われています。
高所で作業する人が、最初は高いところが苦手でも毎日作業をしていると怖くなってくるようなものです。

その他さまざまなリラクゼーション技法が使われます。

薬物療法としては、抗不安薬抗うつ薬、β遮断薬などが使われることがありますが、効果は不定です。
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