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八千代メンタルクリニック

抗精神病薬(強力精神安定薬)
1.不安・焦燥・興奮を鎮める 2.幻覚・妄想等の異常体験を軽減する 3.意欲をたかめる
といった作用を持ち、主としていわゆる精神病状態に使われる薬です。
主として精神病状態の治療に用いられますが、躁病・うつ病や、神経症、不眠症などの治療にも使用されることがあります。

従来から、大きく分けて以下の三つの作用があるとされています。
1. 催眠・鎮静作用:不安・焦燥・興奮を鎮める。
(これは逆に言うと眠気という副作用にもなりえます。強すぎると過鎮静と言います)
2. 抗幻覚・妄想作用、抗精神病作用:幻覚・妄想・思考障害等のいわゆる精神病状態を軽減する。
3. 賦活作用:意欲をたかめ、感情鈍麻・意欲減退・自閉・接触性を改善する。
(これは逆に副作用として不穏・興奮を引き起こすことがあります)
これらの作用は、どの薬にもあり、どの作用が強いかは薬により(また個人により)違っています。

副作用の出方は薬によって(当然ながら個人により)違いますが、共通するのは以下です。
A. 自律神経症状
起立性低血圧(立ちくらみがする)、頻脈(脈が速くなる)、口渇、流涎(リュウゼンと読みます。よだれがでること)、鼻閉(鼻づまり)、便秘、排尿障害(尿がでにくくなる)、発汗過多、勃起・射精障害・・・
B. 錐体外路症状
パーキンソン症状(手がふるえたり、前屈み小刻みで歩くようになる)、急性ジストニア(首や顔が曲がってしまう)、眼球上転発作(発作的に目があがる)、アカシジア(何となく落ち着かずじっとしていられない)、遅発性ジスキネジア(口をもぐもぐさせたり、舌が動いたりする)・・・
C. 内分泌・代謝関連症状
月経異常(生理が遅れたりとまったりする)、乳汁分泌(妊娠していないのにおっぱいがでる)、性欲の異常(低下、亢進)、体重増加、糖尿病・高脂血症・・・
D. その他
アレルギーとしての皮膚障害、血液や肝臓の異常
作用の裏返しとしての不眠、眠気、興奮
重大な副作用として、悪性症候群(高熱、発汗、振戦、頻脈等がある)を覚えておく必要があるでしょう
このように列挙すると「副作用が多いなあ」と不安になる人も多いでしょう。
薬を減らしたり中止したりする必要のある副作用もありますが、その他の対処方法が可能なものもあります。
過常に心配せず、常に医師に相談するようにして下さい。
高熱がでる、脈が異常に速い・不整脈がある、便秘がひどく吐き気がする、皮膚に発疹がでる等の副作用と思われる症状があればすぐに受診して下さい。
また、女性の場合には、生理が止まったり、おっぱいがでたりすると妊娠と見分ける必要があります。
妊娠の可能性のある場合には産婦人科の受診を忘れないで下さい。

薬の選択は、作用特性と副作用の程度によって決まります。
しかし、最近では、
抗精神病薬には以下のようなものがあります。
いずれの薬物も、それぞれの作用を多かれ少なかれ持ち合わせており、この分類は必ずしも確定したものではありません

リスペリドン以下の4剤は、近年導入された薬で(新規抗精神病薬とか、非定型抗精神病薬等と呼ばれます)、効果の割には副作用が弱いと考えられています。(ただ、リスペリドンやペロスピロン以外は価格がかなり高いのが問題と言えるかもしれません)
最近では副作用の少ない新規抗精神病薬が主流となりつつありまが、従来型の抗精神病薬であっても副作用が気にならず有効性を示すこともあるので、まだまだ使用され続けることは間違いないでしょう。
鎮静作用の強いもの
一般名 商品名(代表的なもの)
フェノチアジン誘導体
クロルプロマジン コントミン、ウィンタミン
チオリダジン メレリル
レボメプロマジン レボトミン、ヒルナミン
プロペリシアジン ニューレプチル、アパミン
ベンザミド誘導体
スルトプリド バルネチール
ジベンゾチアゼピン誘導体
ゾテピン ロドピン、ロシゾピロン
抗幻覚妄想作用の強いもの
一般名 商品名(代表的なもの)
ブチロフェノン誘導体
スピペロン スピロピタン
チミペロン トロペロン
ハロペリドール セレネース、リントン
フロロピパミド(ピパンペロン) プロピタン
ブロムペリドール インプロメン
モペロン ルバトレン
ベンザミド誘導体
スルピリド
 抗うつ剤にも分類される
ドグマチール
ネモナプリド エミレース
レセルピン誘導体
レセルピン
 血圧を下げる作用強く、副作用にうつ状態あり。
 現在ではほとんど使用されていないと思います。
アポプロン
賦活作用のあるもの
一般名 商品名(代表的なもの)
フェノチアジン誘導体
トリフロペラジン トリフロペラジン
フルフェナジン フルメジン
プロクロルペラジン パソトミン、ノバミン
ペルフェナジン PZC、トリオミン
イミノジベンジル誘導体
カルピプラミン デフェクトン
クロカプラミン クロフェクトン
モサプラミン クレミン
ジフェニルブチルピペリジン誘導体
ピモジド オーラップ
インドール誘導体
オキシペルチン ホーリット
ベンズイソキサゾール誘導体
リスペリドン リスパダール
その他
クエチアピン セロクエル
オランザピン ジプレキサ
ペロスピロン ルーラン
アリピプラゾール エビリファイ
2006/06/28一部改訂
このページの文責、著作権は八千代病院/八千代メンタルクリニック精神科医 長谷川雅彦に属します

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