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八千代メンタルクリニック

向精神薬の副作用の話

悪性症候群
悪性症候群は、高熱、発汗、振戦、頻脈等の症状を特徴とし、向精神薬を使用する際には常に考慮すべき重大な副作用です。
とくに、抗精神病薬の投与中・増量時には要注意です。
また、抗パーキンソン病薬を継続して使用している際の急激な中止・減量でも悪性症候群の起こる場合があります。
悪性症候群はまれですが、放置すると生命に関わることもあるため、十分に注意を要する副作用といえます。原因のハッキリしない発熱があった場合には、悪性症候群を念頭に置く必要があります。
典型的なものでは以下の症状が見られます。
 発熱(微熱で始まることもあるが、大抵は38-40℃に至る高熱)
 発汗
 流涎(よだれを流す)
 言語・嚥下障害
 頻脈(脈が速くなる)
 無動・緘黙(身動きしない、しゃべらない)・意識障害
 筋硬直・振戦(筋肉に力が入り、ふるえる)
脱水症状・栄養障害・呼吸障害・循環障害・腎不全等を併発すると死に至ることもあります。
治療の基本は原因薬剤の中止、または、再開(抗パーキンソン病薬の場合)です。
ついで、水分・栄養補給をはかることと、ダントローレン等の治療薬の投与です。
重症な場合には集中治療室等の利用が必要となることもあります。
添付文書に「悪性症候群」の記載がある薬
向精神薬の中には悪性症候群を起こす可能性のあるものが多数あります。
全ての抗精神病薬・抗うつ薬の投与・増量時と、抗パーキンソン病薬の減量・中止の際には悪性症候群が起きるかもしれないと思っておく方がよいかもしれません。


●向精神薬
抗精神病薬
 塩酸クロルプロマジン(コントミン、ウィンタミン)
 ベゲタミンA、B(成分としてクロルプロマジンを含む)
 塩酸レボメプロマジン(レボトミン、ヒルナミン)
 デカン酸フルフェナジン(フルデカシンデポ)
 エナント酸フルフェナジン(アナテンゾールデポ)
 マレイン酸フルフェナジン(フルメジン)
 マレイン酸トリフロペラジン(トリフロペラジン)
 フェンジゾ酸ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリオミン)
 プロペリシアジン(ニューレプチル)
 塩酸チオリダジン(メレリル)
 ハロペリドール(セレネース、リントン)
 ブロムペリドール(インプロメン)
 塩酸フロロピパミド(プロピタン)
 チミペロン(トロペロン)
 プロクロルペラジン(ノバミン)
 ゾテピン(ロドピン)
 スピペロン(スピロピタン)
 塩酸クロカプラミン(クロフェクトン)
 カルピプラミン(デフェクトン)
 ピモジド(オーラップ)
 オキシペルチン(ホーリット)
 ネモナプリド(エミレース)
 モサプラミン(クレミン)
 リスペリドン(リスパダール)
 オランザピン(ジプレキサ)
 フマル酸クエチアピン(セロクエル)
 塩酸ペロスピロン(ルーラン)
 スルトプリド(バルネチール)
 スルピリド(ドグマチール)抗うつ薬としてや胃潰瘍の薬としても使われます
抗うつ薬
 塩酸クロミプラミン(アナフラニール)
 塩酸イミプラミン(トフラニール、イミドール)
 塩酸ロフェプラミン(アンプリット)
 マレイン酸トリミプラミン(スルモンチール)
 塩酸ノルトリプチリン(ノリトレン)
 塩酸ドスレピン(マプロチリン)
 アモキサピン(アモキサン)
 塩酸ミアンセリン(テトラミド)
 マレイン酸セチプチリン(テシプール)
 塩酸マプロチリン(ルジオミール)
 塩酸トラゾドン(レスリン、デジレル)
 塩酸パロキセチン(パキシル)
 マレイン酸フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)
 塩酸ミルナシプラン(トレドミン)
中枢神経興奮剤
 塩酸メチルフェニデート(リタリン)
抗躁薬
 炭酸リチウム(リーマス)
抗てんかん薬
 カルバマゼピン(テグレトール、テレスミン)抗躁薬としても使われます
抗痴呆薬
 塩酸ドネペジル(アリセプト)
抗パーキンソン病薬
 塩酸アマンタジン(シンメトレル、トーファルミン)インフルエンザの治療にも使われます
 ドロキシドパ(ドプス)
 レボドパ(ドパール、ドパストン、ドパゾール等)
 塩酸セレギリン(エフピー)
 カベルゴリン(カバサール)
 塩酸タリペキソール(ドミン)
 メシル酸ペルゴリド(ペルマックス)
 塩酸メチキセン(コリンホール)
 塩酸ビペリデン(アキネトン)
 塩酸トリヘキシフェニジル(アーテン)
 塩酸マザチコール(ペントナ)
 塩酸ピロヘプチン(トリモール)
 塩酸プラミペキソール(ビ・シフロール)
 ヒベンズ酸プロフェナミン(パーキン)
 塩酸プロメタジン(ピレチア、ヒベルナ)この薬物は乗り物酔いや鼻炎薬としても使われます
 メシル酸ブロモクリプチン
抗不安薬・催眠薬・麻酔薬
 エチゾラム(デパス)
 フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)
 ミダゾラム(ドルミカム)
 ドロペリドール(ドロレプタン・タラモナール)
●その他
 塩酸チアプリド(グラマリール)
 タルチレリン(セレジスト)
 メトクロプラミド(プリンペラン)

2004/05/16
このページの文責、著作権は八千代病院/八千代メンタルクリニック精神科医 長谷川雅彦に属します
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