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八千代メンタルクリニック

向精神薬の副作用の話

口渇・便秘・排尿困難
 「口が渇く、便が出なくなる、お小水が出づらくなる」・・一見 あまり関連なさそうに見えるこれらの症状は、多くの向精神薬で同時に起こりやすい副作用です。
主として抗コリン作用がこれらを引き起こします。抗コリン作用の強い薬物では、これらの副作用が出やすいと言えます。
 軽度であれば、これらの副作用はあまり気にしなくても良い場合がありますが、重症化することもあるので、主治医に報告しておくことは大切です。
 
 対処法としては、副作用の少ない薬物を選び、できるだけ少量にとどめるのがベストです。
しかし、どうしても使用せざるを得ない場合には、以下の対処法を用います。
口渇  適度な飲水は問題ありません。それよりも、酸味のある低カロリーキャンディーやガムを使用することが有効なことがあります。
 場合によっては、人工唾液のスプレーや漢方薬等が処方されることもあります。
 口渇は、適度に水を飲む分には問題ありませんが、大量に飲水すると、まれに、意識障害や痙攣を起こし「水中毒」となることがあり要注意です(余程飲まない限り普通は心配ありませんが・・・)。
便秘  規則正しい排便習慣をつける、繊維分の多い食物をとる等、体質にあった排便しやすい工夫をすることが大切です。
 その上で、習慣性の出ないように下剤を使用します。
 便秘も、慢性化・重症化すると、嘔吐・腹痛・発熱を伴う「麻痺性イレウス」を引き起こし、救急処置が必要となることがあります。
排尿困難  これは、生活習慣の工夫ではなかなか改善しません。
 排尿しやすくなるような薬を使用したり、場合によっては導尿する(尿道に管を入れて尿を出す)ことが必要となるかもしれません。
 排尿困難は、男性(特に前立腺肥大等がある場合)では特に強く見られ、全く排尿できない場合には「尿閉」といって、これも、緊急の処置を必要とする場合があります。重症でなくとも、長期に及ぶと腎機能を損なうことがあるため、排尿困難は早期に対処することが大切です。

「口渇・便秘・排尿困難」をひきおこす向精神薬
 殆どの向精神薬がこれらの原因となり得ます。
頻度は薬物によって差があります。

抗精神病薬抗うつ薬では上記副作用が比較的よく見られます。
、添付文書に記載されている頻度は以下です。
A:0.1%未満
B:5%未満、または、0.1%以上5%未満
C:5%以上

薬物名 口渇 便秘 排尿困難・尿閉
抗精神病薬 クロルプロマジン C C C
チオリダジン C B B
レボメプロマジン C C C
プロペリシアジン C C C
スルトプリド B B B
ゾテピン B B B
スピペロン B B B
チミペロン B B B
ハロペリドール B B 頻度不明
フロロピパミド(ピパンペロン) B B 頻度記載無し
ブロムペリドール B B B
モペロン B B B
スルピリド B B B
ネモナプリド B B B
トリフロペラジン A A 頻度記載無し
フルフェナジン A A 高齢者で起こりやすい
プロクロルペラジン A A A
ペルフェナジン A A 頻度記載無し
カルピプラミン B B B
クロカプラミン B B C
モサプラミン B B B
ピモジド B B B
オキシペルチン B B 記載無し
リスペリドン B B B
オランザピン
クエチアピン
ペロスピロン

抗うつ薬 アミトリプチリン
イミプラミン
クロミプラミン
ドスレピン
ノルトリプチリン
ロフェプラミン
トリミプラミン
アモキサピン
マプロチリン
ミアンセリン B B B
セチプチリン B B B
フルボキサミン C B B
パロキセチン 1%以上10%未満 1%以上10%未満 1%未満
ミルナシプラン C C B
トラゾドン B B B

2004/05/25
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