| 症状性精神障害 |
症状性精神障害は、脳神経系以外の身体疾患に基づく精神障害です。
精神活動は脳神経系の機能そのものですから、脳神経系の機能に異常が生ずれば、何らかの精神障害が生ずるのは当然のことです。
そこで、脳神経系の機能に異常を起こすあらゆる身体疾患が症状性精神障害の原因となり得ます。
また、症状も千差万別であらゆる症状が出る可能性があります。
医薬品の副作用でも精神障害の起きる可能性があることは忘れてはならないことです。 |
| 原因となる疾患 |
| 内分泌疾患 |
内分泌疾患ではしばしば精神症状を呈します。
特に有名なのは、甲状腺機能低下症によるうつ状態と甲状腺機能亢進証による躁状態ですが、様々な疾患で様々な症状を呈する可能性があります。
女性の更年期障害の精神的不調や、月経前のいらいら・ゆううつ(月経前症候群と診断される場合があります)等も症状性精神障害の一種といえます。 |
代謝疾患・
栄養障害 |
先天性の代謝異常や糖尿病、種々のビタミン欠乏症により精神症状が出現することがあります。
糖尿病では高血糖でも低血糖でも意識障害主体とした精神症状を呈することがあります。
ビタミン欠乏症ではニコチン酸欠乏による「ペラグラ」が有名です。
また、重症の肝疾患や腎疾患では代謝機能の障害により精神症状の出ることがしばしばあります。 |
| 感染症 |
あらゆる感染症が重症の場合には精神症状を呈する可能性があります。
脳炎のように明らかに脳神経系に影響を与えるものは脳器質性精神障害に含まれますが、それ以外の感染症でも精神障害を呈することがあると言われています。 |
| その他の炎症 |
全身性エリテマトーデス(SLE)等、全身性の炎症を来す疾患では精神症状を呈することがあります。しかし、これらは明らかな中枢神経系の炎症に基づく事があり、その場合には脳器質性精神障害に含まれます。 |
| 医薬品による精神障害 |
様々な医薬品が、副作用として精神症状を呈します。
うつ状態の人の原因がうつ病ではなく高血圧の治療薬だったと言うことが起こりえるわけです。
有名なものでは、インターフェロンやステロイド剤によるうつ状態や幻覚妄想状態があります。
診断にあたって、現在服用中の薬の副作用であることを考えることは大切です。 |
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| 症状 |
症状性精神障害の場合、精神科で扱う症状の話で取り上げている、あらゆる精神症状の引き起こされる可能性があります。
しかし症状を見て診断がつくほどの特徴的な症状はありません。
診断が確定してはじめて、これはこの病気による精神障害だったのだと納得できるようなものです。
一般的には以下のような傾向が見られます。
| 急性の経過 |
代謝障害、感染症、その他の炎症で、急性の経過をとる場合には、多かれ少なかれ意識障害を伴います。
特に問題となるのはせん妄状態です。
幻覚や妄想、興奮状態等を呈した場合には、その他の精神障害と誤って判断される場合があります。
急激な精神症状の出現は、常に脳器質性精神障害や症状生精神障害を念頭に置いて診断にあたる必要性があります。 |
| 慢性の経過 |
原因の特定できない身体的不調(不定愁訴)や、活動性・意欲の低下、うつ状態等が出現します。
まれに人格変化や痴呆症が前景にたつ場合もあります。
精神症状が長期化し、一般的な治療で改善しない場合には、脳器質性精神障害や症状生精神障害の可能性を考慮すべきかもしれません。 |
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| 治療 |
治療の原則は、原疾患の治療です。
(医薬品の副作用である場合には服薬中止が原則です)
特に急性期には原疾患の治療が急務となります。
せん妄状態に対しては、対処法がある程度確立しています。
その他の幻覚・妄想状態、躁状態・うつ状態に対しては対症療法的に治療が行われます。
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