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八千代メンタルクリニック

精神科で扱う精神障害の話

脳器質性精神障害
脳器質性精神障害は脳神経の異常に基づく精神障害です。
精神活動は脳神経系の機能そのものですから、脳神経系に異常が生ずれば、何らかの精神障害が生ずるのは当然のことです。
そこで、脳のあらゆる障害が脳器質性精神障害の原因となり得ます。
また、症状も千差万別であらゆる症状が出る可能性があります。
原因となる疾患
外傷 交通事故などで脳に損傷を受けた場合です。
原則的に可逆的な脳振盪(脳しんとう)と、非可逆的症状が残る可能性のある脳挫傷や頭蓋内出血が含まれます。
腫瘍 あらゆる良性・悪性の脳腫瘍が原因となり得ます。
手術等で治療を受けた後には、外傷性の精神障害と考えても良いかもしれません。
感染症 ウィルス、細菌、原虫等あらゆる感染症が原因となり得ます。
古典的には梅毒による進行麻痺が有名です。
最近の話題では、プリオンによるBSE(狂牛病)、エイズ(HIV)ウィルスによる精神障害がマスコミで取り上げられていますね。
その他の炎症 ベーチェット病や全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症等で脳の炎症に基づく精神障害が起きる可能性があります。
問題点となるのは、これらの治療に用いられるステロイド剤でも、精神障害が生じることがあり、鑑別に苦しむ場合があることです。
血行障害 脳梗塞のように脳組織内に血流の低下した部位がある場合に精神障害の生ずることがあります。
(脳出血による場合は、外傷性といった方がよい場合もあるかもしれません)
厳密には血行障害と言えませんが、一酸化炭素中毒や酸欠状態で脳の障害が起きる場合にも血行障害と同様の障害と考えられます(脳組織の酸素欠乏による障害という意味で)。
変性疾患 アルツハイマー病、ピック病、パーキンソン病、脊髄小脳変性症等原因は不明ながら徐々に神経細胞が失われていく疾患です。
障害の範囲に応じた障害を生じます。

症状
脳器質性精神障害の場合、精神科で扱う症状の話で取り上げている、あらゆる精神症状の引き起こされる可能性があります。
しかし症状を見て診断がつくほどの特徴的な症状はありません。
診断が確定してはじめて、これはこの病気による精神障害だったのだと納得できるようなものです。
一般的には以下のような傾向が見られます。
急性の経過 外傷、血管障害、感染症、その他の炎症で、急性の経過をとる場合には、多かれ少なかれ意識障害を伴います。
特に問題となるのはせん妄状態です。
幻覚や妄想、興奮状態等を呈した場合には、その他の精神障害と誤って判断される場合があります。

急激な精神症状の出現は、常に脳器質性精神障害や症状生精神障害を念頭に置いて診断にあたる必要性があります。
慢性の経過 原因の特定できない身体的不調(不定愁訴)や、活動性・意欲の低下、うつ状態等が出現します。
さまざまな人格変化や痴呆症が前景にたつ場合もあります。
精神症状が長期化し、一般的な治療で改善しない場合には、脳器質性精神障害や症状生精神障害の可能性を考慮すべきかもしれません。

治療
治療の原則は、原疾患の治療です。
特に急性期には原疾患の治療が急務となります。
せん妄状態に対しては、対処法がある程度確立しています。
その他の幻覚妄想状態、躁状態うつ状態に対しては対症療法的に治療が行われます。
このページの文責、著作権は八千代病院/八千代メンタルクリニック精神科医 長谷川雅彦に属します
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