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八千代メンタルクリニック

精神科で扱う精神障害の話−精神障害の分類

どんな精神障害がある?
精神障害・精神疾患は身体疾患に比べまだまだ研究の未発達なところが多いため、分類や診断基準が国によって、また、医師ごとにもばらつきがあります。
そのために、同じ患者さんが、医師によって(同様な疾患だと考えられても)異なった病名をつけられると言うことがしばしば起きます。
  例えば、同じ人が、分類の仕方によっては、抑うつ神経症と診断されたり、感情障害あるいは気分循環障害等と言われたりすることがあるわけです。
病名は異なっても、その本質は同じであることがあるので、あまり病名にはこだわらない方がよいかもしれません。
皆さんが精神科を受診し何らかの診断を下された場合には、病名にこだわることよりも、医師に予後や治療計画についてどう考えているかを確認することの方が重要だと思います。
ここでは、日本では主にどのような分類がなされているかを簡単に説明します。

古くから精神医学教科書で用いられている分類
精神障害・精神疾患の原因はまだ未解明ですが、古くから、便宜的に病因を以下のように想定して分類されてきました。
内因性精神障害
原因はまだわからないけれども、脳の機能の異常によると考えられているもの。
精神障害・精神疾患の中核となるものです。
統合失調症(精神分裂病)、躁うつ病、非定型精神病等が含まれます。
外因性(身体因性)精神障害 体の病気が元となって起きる精神障害
  
器質性精神障害 脳そのものの病気によって生じるもの
痴呆症が中心となりますが、脳の損傷に基づく人変化やうつ状態など様々な病態が含まれます。
症状性精神障害 脳以外の身体病によって生じるもの。
様々な身体疾患により、様々な精神症状が生じることがあります。
例えば甲状腺機能亢進症は時に躁状態を呈します。
中毒性精神障害 体内に薬物・毒物が入り込むことで生じるもの。
アルコールや覚醒剤等による精神障害が含まれます。
心因性精神障害 心理的なストレスが原因となって生じると考えられるもの。
実際には、そうなりやすい「素質」も想定されています。
心因反応、神経症、心身症と呼ばれるものが含まれます。
いわゆる人格障害も含むことがあります。

WHOによる国際疾患分類
最新版はICD−10と呼ばれます。(ICDは International Classification of Disease の略です)
世界各国の統計を比較するために用いられます。厚生労働省の統計も基本的にはこれに準じます。
全ての疾患を含みますが、精神疾患は以下の様に分類されています。
(詳細な分類は厚生労働省のサイトのここを参照してください。全ての疾患についてはここを参照
こちらも詳細です)
F0 症状性を含む器質性精神障害
痴呆症その他のいわゆる脳器質性精神障害を含みます。
F1 精神作用物質使用による精神および行動の障害
アルコールや麻薬・覚醒剤等に関連した障害を含みます。
F2 統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害
統合失調症(精神分裂病)やその類縁疾患を含みます。
F3 気分障害(感情障害)
双極性感情障害(いわゆる躁うつ病)、うつ病エピソード(いわゆるうつ病)等を含みます。
F4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害
恐怖症性不安障害(いわゆる恐怖神経症)、パニック障害、強迫性障害(いわゆる強迫神経症)、外傷後ストレス障害(PTSD)等を含みます。
F5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
摂食障害(いわゆる拒食や過食)、睡眠障害、性機能不全(性欲の低下など)等を含みます。
F6 成人の人格および行動の障害
いわゆる人格障害や性行動に関する問題などを含みます。
F7 精神遅滞
精神発達遅滞です。
F8 心理発達の障害
学習能力の特異的発達障害(いわゆるLD)や広汎性発達障害(いわゆる自閉症)等を含みます。
F9 小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害
多動性障害(いわゆる多動児)や行為障害、チック障害等を含みます。
F99 特定不能の精神障害
以上の分類に当てはまらないもの全てです。

アメリカ精神医学会(APA)による分類
最新版はDSM−IVです(DSMは Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders の略です)
(実際には最新版は修正の加わったDSM-IV-TRです)
米国内はもとより、日本でもこの分類に基づいて診断名のつけられることがしばしばあります。
ICDとは異なり、精神疾患のみの分類です。
従来診断やICDとの大きな違いのひとつは「神経症」という言葉が使われていないことです。
DSM−IVの大分類としては以下の項目があげられています。
(詳細はDSM-IV-TR精神疾患の分類と診断の手引等を参照してください)
通常,幼児期,小児期,または青年期に初めて診断される障害
精神遅滞、広汎性発達障害(いわゆる自閉症)、特異的発達障害(いわゆるLD)等を含みます。
せん妄,痴呆,健忘性障害,および他の認知障害
せん妄、痴呆等のいわゆる外因性精神障害の一部を含みます。
他のどこにも分類されない一般身体疾患による精神疾患
2に含まれない外因性精神障害を含みます。
物質関連障害
アルコールや麻薬・覚醒剤等に関連した障害を含みます。
統合失調症および他の精神病性障害
統合失調症(精神分裂病)やその類縁疾患を含みます。
気分障害
双極性障害(いわゆる躁うつ病)、大うつ病性障害(いわゆるうつ病)等を含みます。
不安障害
パニック障害や恐怖症、強迫性障害(いわゆる強迫神経症)等を含みます。
身体表現性障害
身体化障害、転換性障害、心気症等、身体症状を呈するいわゆる神経症・転換ヒステリーの一部を含みます。
虚偽性障害
意図的に症状を作り出すいわゆる詐病の一種です。
10 解離性障害
解離性健忘、解離性とん走、解離性同一性障害等、いわゆる解離ヒステリーの一部を含みます。
11 性障害および性同一性障害
性機能、性嗜好等の障害です。
12 摂食障害
神経性無食欲症(いわゆる拒食症)、神経性大食症(いわゆる過食症)を含みます。
13 睡眠障害
不眠、過眠、概日リズム睡眠障害等の睡眠異常と、睡眠随伴症(いわゆる悪夢、夜驚症、夢中遊行)等を含みます。
14 他のどこにも分類されない衝動制御の障害
窃盗癖、放火癖、抜毛癖、病的賭博等を含みます。
15 適応障害
ストレスに対する不適応反応で、精神病的でないいわゆる心因反応の一部を含みます。
16 人格障害
様々な人格の障害を含みます。
17 臨床的関与の対象となることになる他の状態
精神科臨床で遭遇する雑多な状況を含みます。
18 追加コード番号

このページの文責、著作権は八千代病院/八千代メンタルクリニック精神科医 長谷川雅彦に属します

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